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舌下免疫療法

舌下免疫療法とは

花粉症やアレルギー性鼻炎は、アレルゲンとなる原因物質によってアレルギー症状を起こします。免疫療法は、微量のアレルゲンを長期間に渡って投与することで身体を慣らし、体質を改善して症状緩和に導く治療法です。舌下免疫療法では、アレルゲンを舌の下に投与します。現在、スギ花粉症とダニによるアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法が可能になっています。

舌下免疫療法を
お勧めしたい方

  • スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎で、症状のない根治につながる治療を希望される方
  • 内服薬や点鼻薬では十分な症状改善が得られない方
  • 内服薬の副作用である眠気が日常に支障がある方
  • 内服薬をできるだけ減らしたい方
  • 鼻レーザー手術や鼻中隔矯正術などの手術は避けたい方
  • 他のアレルゲンに対するアレルギー反応も避けたいと思っている方

治療の流れ

1事前問診

事前問診問診と血液検査で、アレルギーの原因(アレルゲン)を確かめます。スギ花粉またはダニのアレルギーがあることが検査で確認されたら舌下免疫療法が可能になります。

2初回投与

初回投与微量ですがアレルゲンを投与しますので、副作用が起こる可能性を考慮し、初回投与はクリニック内で行います。投与後30分間を医師の監視下で待機し、問題がなければ2回目からはご自宅での投与となります。

3治療開始

初回の翌日である2日目の投与からは患者様ご自身がご自宅などで行います。安全性を高めるために、家族がいる場所で日中に投与することが推奨されています。

4投与の方法

  • 1日1回の投与は時間を決めて行ってください
  • お薬を舌下に入れて1分間保持し、その後飲み込んでください
  • 投与後の5分間はうがいや飲食を避けてください
  • 投与前後の2時間には、入浴・飲酒・激しい運動を控えてください
  • 投与期間が1週間経過したタイミングで、アレルゲンを増量したお薬に変更します

舌下免疫療法の
治療開始時期

スギ花粉症

花粉の飛散時期(1月~5月)には治療をスタートできないことから、6月~12月の期間に治療を開始する必要があります。

ダニアレルギー

いつでも治療を開始できます。

舌下免疫療法の効果

アレルゲン免疫療法は、治療を受けた8割程度の方に有効性が認められています。舌下免疫療法でも同様の有効性や安全性が認められています。一般的なアレルギー治療である内服薬・点鼻薬・点眼薬は一時的に症状を抑えるだけですが、舌下免疫療法はスギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎の根本的な治療が期待でき、長期寛解や治癒が望めます。薬を減らしたい、根治の可能性のある治療を受けたいとお考えの方には舌下免疫療法をお勧めしています。

舌下免疫療法の
副作用・リスク

副作用として最も多いのは、投与部位(口腔内)の腫れや痒みです。副作用は、投与後30分以内に起こる可能性が高く、投与開始から約1か月間は注意する必要があります。なお、腫れや痒みはほとんどが数時間で自然に解消しますが、数時間経過しても症状が改善しない場合には受診してください。
また、アナフィラキシーショックを起こす可能性もゼロではありません。アナフィラキシーショックが疑われる症状を起こした場合には速やかに医療機関を受診する必要があります。

舌下免疫療法ができない方・
注意が必要な方

治療ができない方

  • 気管支喘息のコントロールができていない方
  • 全身性ステロイド薬の継続投与を受けている方
  • 抗がん剤治療をされている方
  • 治療開始時に妊娠されている方
  • 自己免疫疾患の合併や既往のある方や家族歴がある方
  • 5歳未満のお子様

治療に注意が必要な方

  • 重症の心疾患・肺疾患・高血圧のある方
  • 継続的な通院が困難な方、転居の予定がある方
  • 非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼを内服されている方

舌下免疫療法の注意点

  • 月に1度の受診が必要です
  • 毎日お薬を飲む必要があります
  • 最低3年間の治療継続が推奨されます
  • 効果が実感できるまで長期間かかります
    (通常2~3か月かかります)
  • 治療を受けても2割程度の方には効果がありません
  • 効果の有無や得られる効果の程度を事前に判明する手段はありません