発熱
37.5度以上の熱がある場合は、事前にお電話でご相談ください。当院では発熱症状のある方に専用の別室をご用意し、症状のある方もない方も安心して受診していただけるようにしています。なお、ご自宅では37.5度以下だった場合でも、院内で計測した体温が37.5度以上である場合には別室にご案内します。
当院では空間的隔離による感染予防を行っており、発熱症状のある方の待合室や診療室は通常とは違う別室となっています。別室には吸引などの処置や治療行う装置がなく、感染症検査以外の検査もできません。ただし、診察によって感染症のリスクが低いと医師が判断できた場合には、通常の診療室にて必要な検査や処置を行う場合もあります。
※診察状況によっては院外でお待ちいただく場合がございます。ご了承ください。
子どもの発熱
子どもは代謝が活発なことから体温が36度~37.5度程度のことも多く、大人に比べて体温が高い傾向があります。赤ちゃんは特に体温調節が苦手ですので厚着などで熱がこもり、高めの体温になることもあります。また、体温は時間によって変動することがあり、計測するタイミングで大きく変わることもあります。さらに、体温計の種類や測り方でも体温は変わりやすいことから、普段から同じ時間帯など条件を揃えて何度か体温を測っておき、お子様の平熱を把握しておくと役立ちます。
風邪症候群
風邪の主な原因はウイルス感染であり、原因となるウイルスは200種類以上あるとされています。こうしたことから、風邪を根本的に治す特効薬はなく、つらい症状を緩和する治療や安静、十分な水分補給が最も効果的な治療法となります。つらい症状がありましたら、できるだけ早めにご相談ください。
なお、耳鼻咽喉科では、喉や鼻の粘膜を極細の内視鏡スコープで確認する検査が可能であり、病変の程度や範囲など状態に合わせた処置や治療が可能になります。
風邪の受診は内科?
耳鼻科?
風邪では内科を受診するのが一般的ですが、喉の痛みや鼻水、鼻詰まりなどが主な症状の場合には耳鼻咽喉科の受診をお勧めしています。耳鼻咽喉科では喉や鼻の粘膜を極細の内視鏡スコープで確認でき、粘膜の炎症や腫れの程度・範囲、膿などの有無を正確に把握できますので、より効果的な治療が可能となります。また鼻吸引・鼻洗浄など、症状を大きく緩和させる処置や治療も可能であり、つらい症状を緩和することで回復も早まります。
当院では患者様のお話をしっかり伺って、わかりやすいご説明を心掛けています。通院回数が多くなりすぎないよう配慮もしていますので、安心してご相談ください。
インフルエンザ
インフルエンザは感染力が強く、乾燥する冬期に毎年流行を起こし、短期間に乳幼児から高齢者まであらゆる世代の方に広がります。くしゃみや咳で空中に飛散したウイルスが別の方の鼻や口から入る飛沫感染と、ウイルスが付着した手で手すりなどに触れ、次にそれに触れた方の指にウイルスが移動し、その指で口や鼻に触れることで生じる接触感染で感染します。潜伏期間は1~3日程度であり、一般的な風邪に比べて高熱など症状が突然生じます。
インフルエンザの種類
流行を起こすインフルエンザウイルスには、A型とB型の2種類があります。A型、B型の流行の仕方は年ごとに異なり、同じシーズンにA型とB型のインフルエンザの両方を発症する場合もあります。
インフルエンザの症状
- 突然生じる38℃以上の高熱
- 寒気
- 頭痛
- 関節痛
- 筋肉痛
- 全身倦怠感
- 咳
- 喉の痛み
- 鼻水
など
風邪と比較すると、インフルエンザでは突然高熱を起こし、寒気や関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症状が生じる傾向があります。また、合併症の発症リスクも高く、免疫力が低い乳幼児や高齢者では肺炎や脳炎を起こして重症化する場合もあります。
インフルエンザの
予防接種(ワクチン)
インフルエンザの予防接種は完全に感染を防ぐことはできませんが、インフルエンザの感染リスクを低減し、インフルエンザにかかった場合にも重症化を防ぐ効果が期待できます。また、予防接種を受ける方が増えると大流行を抑える社会的な効果にもつながります。
予防接種の効果は接種後2週間経過してから現れ、約6か月間持続するとされていますので、流行のピークをカバーできる10月~12月中旬までのタイミングで接種を受けるようお勧めしています。なお、12歳未満では2回接種が推奨されており、効果は2回目の接種後2週間経過してから現れます。
新型コロナウイルス感染症の
後遺症
新型コロナウイルス感染症では、療養期間終了した後にも症状が続くコロナ後遺症を起こすことがあります。新しい感染症ですのでコロナ後遺症についても十分には解明されていませんが、WHO(世界保健機関)では、コロナ後遺症を新型コロナウイルス感染症の発症後、2か月以上症状が継続するものと定義しています。
こうしたことから、療養期間が終了し、鼻や喉の症状や咳などが数週間程度続いているものはコロナ後遺症とはされませんが、そうした場合でも当院での対応が可能です。
コロナ後遺症の症状
海外からの報告では下記の症状の報告が多くなっています。
- 倦怠感(40%)
- 息切れ(36%)
- 嗅覚障害(24%)
- 不安(22%)
- 咳(17%)
- 味覚障害(16%)
- 抑うつ(15%)
コロナ後遺症の治療
当院は咳や喉の痛み、嗅覚障害、味覚障害といった耳鼻咽喉科領域の症状に関して、症状の緩和を目的にした治療を提供しています。
咳や喉の痛み
咳や喉の症状は多くの疾患が疑われる一般的な症状です。まずは極細の内視鏡スコープで鼻や喉の粘膜の状態を正確に把握し、他の病気がないかを確かめます。
コロナ後遺症と判断できる場合、Bスポット療法が喉の痛みの緩和に有効という報告がされていますので、そうした治療も含めて患者様としっかり相談して治療方針を立てていきます。
嗅覚障害
嗅覚の状態を確かめる検査を行い、極細の内視鏡スコープで鼻の粘膜の状態を正確に把握します。また、コロナ後遺症ではなく、副鼻腔炎によって嗅覚障害を起こしているケースもありますので、副鼻腔の状態もしっかり確かめます。
一般的な嗅覚障害では、ステロイド点鼻薬を鼻の奥にある嗅覚神経に投与する治療や、ビタミン剤・漢方薬の投与などが行われており、コロナ後遺症として生じている嗅覚障害でも同様の治療を行います。
味覚障害
味覚障害は亜鉛不足によって生じやすく、コロナ後遺症の味覚障害を起こしている方にも亜鉛不足が多いことが報告されていますので、血液検査で亜鉛の値を調べ、不足している場合には亜鉛を補充するお薬を投与します。